買い物依存症。でもミニマリストになりたい。

買い物依存、ミニマリスト、相反する要素を包括、葛藤を綴るブログです。 買いたい。 でも貯金したい。 持ちたい。 でも増やしたくない。 そして、雨後の竹の子のように数多存在するミニマリスト本、お片づけ本、捨て本、シンプル本、そんな本を読んだ場合の感想など。 その他もろもろ。 どうなっていくかわからないブログですが、よろしくお願いいたします。

26歳で乳腺葉状腫瘍の手術を体験。内視鏡との出会い。 その2

診断名は、乳腺葉状腫瘍。

とりあえず、

腫瘍は一つだけで

散らばりはありませんでした。

 

良性か悪性かは

細胞診だけでははっきりせず、

実際切ってみないと分からない

と言われました。

 

良性の線維腺腫と

18歳の頃言われたことは、

誤診というわけでもなく、

葉状腫瘍はある程度の

大きさに成長するまで

線維腺腫とのはっきりとした

違いがないそうです。

 

だから、いいタイミングで

見つかってよかった、

そう言われたのですが、

私はとてもショックでした。

この時、腫瘍の大きさは1.5㎝。

右胸のデコルテのすぐ下、

ドレスや水着を着た時に

はっきりと見える位置です。

傷だけじゃなく、

変形するかもしれない、

全摘かもしれない。。

 

今、42歳の私なら、

躊躇なく切れるのですが(笑)

当時は26歳、

まだ人の目も気になります。

自分の外見を

非常に気にしていました。

 

「どのくらい切るんでしょうか?」

「まあ、5㎝くらいかな。」

「5㎝!? 腫瘍は1.5㎝ですよね?」

「それを取り出すのに、

もっと大きく開く必要があるでしょ?

切ってみて、

悪性だった場合は、

周囲ももっと

余裕持って取るので。」

「・・・そんなに取ったら、

形、変わりますよね?」

「変わりますね。」 

 

女性の医師でしたが、

非常に淡々とした説明でした。

 

「で、手術なんだけど、

今ちょっと空いてないんで、

再来月かな。

来月は、私、夏休みでいないので。」

「・・・え?」

「がんの手術でも、

待っている方、

たくさんいますよ?」

「・・・」

「大丈夫だとは思うけど、

葉状腫瘍って

急に大きくなることが

あるので、

もし急に腫れだしたり、

明らかに大きく

なっているようなら

その時は電話してくださいね。」

 

急に大きくなるかもしれないものを、

なぜ今、放置するの?

大きくなったら電話しろ、って

それじゃ遅いんじゃないの?

大きくなる前に

取らないと意味ないんじゃないの?

無駄に傷を大きくするまで

待つ意味がわからない。。

 

とにかく、不信感で

いっぱいでした。

一応、2ヶ月後に

予約を取ったものの、

私はすぐに

A先生に電話しました。

 

「夏休みとか言うか、普通」

A先生は電話の向こうで

カラカラと笑って、

「君の言う通り、

今やらないと意味がない。

うちに来たら?

俺がやってあげるよ」

 

A先生は私に、

今取ったMRIの画像を

もらってくるように

いいました。

MRIは何枚も画像があるのですが、

全部もらうと高いので、

胸が映っている部分だけ

もらってくるように、

ともアドバイスしてくれました。

 

私は受付で嫌な顔をされながらも

何とかMRIの画像を一部分だけもらい、

紹介状なしで

A先生の所属する病院を

改めて受診しました。

「4㎝いかないぐらいでできるよ」

A先生は癌研の女医よりも

1㎝小さくできると

言ってくれているのに、

私はそれでも

ため息をついていました。

 

「よし。じゃあ、

どれくらいなら許せる?

腫瘍を中心として、

左右にどれだけ切っていいか、

自分で描いてみて。

そしたら、

その範囲内で頑張るよ」

 

そう言って、A先生は

私にマーカーを持たせました。

左右合わせて2㎝くらいで

私の手が止まると、

 

「厳しいわー。

もうちょっと

おまけしてくれない?」

A先生が冗談ぽく言うので

私も思わず笑ってしまいました。

この先生に任せよう。

私はその時、そう思いました。

 

それから一週間後、

必要な検査を全て済ませ、

手術当日がやってきました。

 

「綺麗に切るからね。

心配しないで」

そう言われて、

カーテンの中で

上半身の服を脱ぎ、

まだブラジャーをつけたままの

自分の胸を見ました。

 

一点の傷もない

なめらかな素肌。

それが普通だと思っていた。

でも、それも今日限り。

無傷の胸とはさよならだ。。

 

もっと重い病気の方、

もっと大きな傷跡となる方が

たくさんいらっしゃるのは

わかっています。

ほんの数センチのことで

こんなに悩んでいるなんて

バチが当たる。

頭では理解しているのに、

私は涙を流していました。

 

「うーん。

ちょっと無理そうだね。」

私の様子に気づいたA先生は、

「君には、この方法、

合わないと思う。

少なくとも、今はね。」

そう言いました。

 

「あのね、

俺は綺麗にできる、

と思ってるの。

仕上がりのビジョンが、

ちゃんとここにある」

 言いながら、A先生は

自分の頭を指し、

「でもそれを、

君と共有できないのね。

当たり前だけど。

だから、いくら俺が綺麗、

と思っていても、

君はそう思わない

可能性だってある。」

 

「で、こないだも

ちょっと言おうかと迷ったけど、

かなり費用がかかるから

言わなかった方法があるの。

内視鏡で取る方法。

胸の表面は切らないの。

だから、水着だろうが

全裸だろうが、問題なし。

代わりに、

脇の下切るのね。

胸より、脇の下の方が

マシじゃない?」

 

この病院では

設備がないということで

A先生は、

乳腺内視鏡手術の

専門と言われる

B先生の所属する病院を

紹介してくださいました。

 

ついに病院は三軒目。

3度目の正直、というか

私はこの手術を

受けようと思いました。

 

当初は脇の下を

切るつもりでしたが、

夏にノースリーブを着たり、

吊革を持ったりした時に

気になる人もいるから、

乳輪に沿って切るのはどうか、

とB先生に提案されました。

 

胸と乳輪の色の境目、

それに沿って切れば

傷はまったく目立たないし

人目にさらされる部分ではないから

脇の下より、オススメだ、

とのことでした。

 

私はB先生の言う通り、

乳輪からアプローチする

内視鏡手術を受けました。

 

癌研で提案されたのが

手術時間15分程度、

の簡単な切除で

費用も3000円くらいの手術。

しかし

私の選択した内視鏡手術は

全身麻酔が必要なため

一泊二日の入院となり、

費用も、保険3割負担で

10万円ほどかかりました。

 

手術の結果、

腫瘍は良性とわかりました。

退院後は

胸は一週間ほど

腫れていたものの翌日から

デスクワークは普通にできました。

物の上げ下ろしで

少し痛みがある程度です。

 

二週間ほどして

ガーゼを取ると、

傷があることは

自分でみれば

わかるのですが

ぱっと見は

やはり乳輪の境を

切っているため

よっぽど近づいて見ない限り

わからない程度です。

 

腫瘍を取った後、

胸の中には

2センチくらいの空洞が

できていたのですが、

サージセルという

医療用の綿?

を詰めてくださっていたので

凹みもありませんでした。

 

サージセルは

周囲の脂肪や筋肉が

次第に盛り上がって

空洞を埋めるまでのもので

いずれ溶けて体に吸収される

とのことでした。

縫合も溶ける糸なので

抜糸もありませんでした。

 

この方法にたどり着くのに

三軒の病院をまわり、

それぞれ検査をしているので

お金は結構かかりましたが

納得して手術することができました。

 

ただ、葉状腫瘍は

再発しやすく、

再発の場合はほぼ悪性となると

聞いていたので

その後二年間は、

半年に一度

経過観察をしていました。

 

幸い、再発はなく、

今は毎年通常の

乳がん検診を受けています。

毎年四月なので、

来月また受ける予定です。

 

最後にA先生について。

気持ちを和らげながら

寄り添った提案を

してくださったのにも関わらず、

ドタキャンして

結果、違う病院に行く、

というの大変申し訳ないことを

してしまいましたが、

嫌な顔一つせず、

最後まで親身に

なってくださったこと、

今でも感謝しています。