買い物依存症。でもミニマリストになりたい。

買い物依存、ミニマリスト、相反する要素を包括、葛藤を綴るブログです。 買いたい。 でも貯金したい。 持ちたい。 でも増やしたくない。 そして、雨後の竹の子のように数多存在するミニマリスト本、お片づけ本、捨て本、シンプル本、そんな本を読んだ場合の感想など。 その他もろもろ。 どうなっていくかわからないブログですが、よろしくお願いいたします。

よそもん、が体験した一個人、ならぬ一京都。

本屋さんで

京都特集の雑誌を

よく見かけます。

その度に、私は必ず

以下のことを思い出します。。。

 

30歳の頃、

1年ほど京都へ頻繁に出張に行く

仕事をしていました。

本社は東京で、

京都に支社がありました。

 

私はある企画で

雑誌の一角に載る記事を

担当しました。

京都の老舗を取材し、

京都にまつわる製品の

ライティングする、

という大役を与えられていました。

 

衣食住、各分野の老舗

の選定と

なんとか取材にこぎつける

交渉ごとは

全て京都出身の社長が

してくれました。

 

とにかく、

取材とライティング、

それをやれ、と。

京都支社の、

同じ30歳の男性社員

が同行してくれるとのことで、

一も二もなく

私は京都に滞在することになりました。

 

まずお土産。

当時、

麻布にミッドタウンが

出来たばかり。

お土産選びだけは

自信!?のあった私は

日本発上陸、しかも

ミッドタウンでしか買えない、

というブランドの

ティーセットはどうかと

提案しました。

 

「そやなあ。」

社長のそやなあ、は

いい返事ではありません。

それは一年近くの付き合いで

私もわかっていました。

 

聞くと、

「安っぽいのん、

ありふれたもんもあかんけど、

珍しすぎも、可愛くないなあ」と。

京都では手に入らないでしょ?

と見下した感じに

なるというのです。

 

へええ。

そうなのか。

じゃ、東京でしか展開してない

お店のスイーツも、

ダメなんですね。

「いや。それええやん。

京都にあるもん

もろてもしゃーないし、

それがええよ」と。

 

エーーー。

どういうことですか!?

京都では手に入らないでしょ?

って、見下した感じに

なるんじゃなかったっけ!??

 

社長のはっきりしない解説によると、

要するに、

海外のブランドの発上陸、

みたいな、

日本ならまず東京、

ということを感じさせるものはダメ。

もともと、東京にあった

東京地元ブランド?

は、良い、と。

 

複雑すぎるー!!

そのさじ加減は、

私にはわかりません(笑)

 

そんなこんなで

お土産選びが終わり、

京都人の男性社員に

付き添われて、

老舗の女将さん、

そしてお茶屋の

おかあさん、

芸妓さん、舞妓さん、など

普段の生活では

絶対触れ合う機会のないような

方々と、

取材とはいえ、

お話できたことは

貴重な体験でした。

 

事前に京都人社員に

いくつか注意点!?を

聞き、なんとか

滞りなく取材を終えた後、

ある女将さん、Aさんに

 

「目白ちゃん、

京都のお店のこと

知りたいんやろ?

いろんな人が集まる

ちょっとしたお茶会があるから

よかったら覗きます?」

 

そうお誘い頂き、

私は滞在している

社長の持っているマンションに

戻るとボストンバッグを

ひっくり返して、

お茶会に着ていく

服を探しました。

 

「ちょっとしたお茶会」

って言うのが

どんなものかは

わからないけど、

公式な取材と違って

リアルな何かが見える

この上ないチャンス、

と思ったのです。

 

今から京都の伊勢丹かどこかに

買いに行くべきか。。

そう諦めかけた時、

ネイビーの襟付きの

ワンピースを

持ってきていたのを

思い出しました。

 

ダンボールで

別に送っていた荷物の方に

入れていたので、

急いでそれを探しました。

 

ポリエステル素材で

シワにならないもの

だったので、

すぐにでも着れる!

これに、黒いパンプスを

合わせれば、

文句はあるまい。。

 

一応、京都人社員の彼にも

声をかけ、

翌日はお茶会に

同行してもらいました。

私のライティングした記事、

カメラマンさんが撮った写真の

レイアウトもでき、

仮に仕上がった雑誌を持参しました。

 

誘ってくださったAさんに

挨拶すると、

Aさんに、他の老舗の女将さんを

ご紹介いただきました。

私は前日用意していた

ネイビーのワンピースを

着ていました。

「よう似合てはるね。

カイラシわあ。」

と他所の女将さんが言うと、

「若い人はスタイルええし、

何でも似合てええなあ。」

と、相槌を打つように

Aさん。

もちろん社交辞令と

わかっているので、

私は笑顔で謙遜しました。

 

お茶会がお開きになった頃、

このような感じで

掲載されます、と

仮にできた雑誌を

Aさんに

お見せしたところ

パラパラとめくり、

「あらあ。

Bさん、綺麗に

お着物映ってるなあ。」

と他所の女将さんの

紹介ページに手を止めて

微笑んでいました。

 

けれど帰り道、

「いやみ言われたわ」

と京都人社員が

言うのです。

え? いやみ??

「キミに、

カイラシな、

似合てるな、

言うてたやろ?

あれな、

そんな格好で

よう来たわ、

言うこと。

着物の一枚も

着て来いひんのか、

言うことや」

 

そ、そうだったのか。。

確かにお茶会、

とは聞いていたけれど。。

単なる顔出しで

着物で行くっていう

発想はなかったのです。

 

「あとな、

あの雑誌、

あとで物言いつくと

思うで。」

 

そしてそれは

彼の言った通りなのでした。

Aさんは、後ほど

社長に直接電話してきて、

「なんでうちが、

Bさんの後になってるん?」

と苦言を呈してきたのです。

 

掲載順は、

私たちではなく、

媒体の方の社員さんが

決めたことでした。

 

私が見たところ、

衣食住それぞれの

カテゴリーで

紹介していく順番で

何の不自然も

感じなかったのです。

 

ところが、それは違う、

というのです。

「うちは200年、

Bさんとこは130年。

筋が通らへんやろ。

Bさんも、こんなん

困ってはると思うで。」と。

 

なんで、その時

言ってくれなかったの!?

「京都だから。」

社長の答えは一言でした(笑)

 

私がこの取材を通して

思ったこと。

それは、

『京都ではとにかく、

長い方が、偉い』

ということ。

それはジャンル関係なく、

そうなのです。

 

そういえば、と

お茶会の時の

会話を思い出していました。

『Bさんはその道の老舗やから。

うちも教えてもらわなあかんわ』

とAさん。

『とんでもない、

うちはまだ、

赤ん坊みたいなもんで。

Aさんとこみたいに

地元に根付いた店に

なっていったらええな思てます。。』

『うちかて、まだまだ。

おかげさんで、

なんとか200年、

店さしてもらってます。』

。。。

めんどくせ〜〜〜!!!w

 

私の感覚では、

例えば

お菓子屋さんと、

旅館とを、

比べること自体

意味がないし、

全然違う話だと

思うのですが、

そうじゃないのですね。

 

もちろん、

全ての京都の方が

このような考え方を

している、と

言ってるわけじゃありませんよ!?

 

これはあくまで、

私が体験した、一京都。

全部、いい思い出です(笑)