買い物依存症。でもミニマリストになりたい。

買い物依存、ミニマリスト、相反する要素を包括、葛藤を綴るブログです。 買いたい。 でも貯金したい。 持ちたい。 でも増やしたくない。 そして、雨後の竹の子のように数多存在するミニマリスト本、お片づけ本、捨て本、シンプル本、そんな本を読んだ場合の感想など。 その他もろもろ。 どうなっていくかわからないブログですが、よろしくお願いいたします。

26歳で乳腺葉状腫瘍を切除した体験 その1

昨日の記事で葉状腫瘍について

複数の方からご質問がありましたので、

私の体験をお話ししようと思います。

 

まず前提として、

私が手術をしたのは

10年以上前ですので

情報も10年以上前の

古いものであるということ。

医療は日進月歩です。

 

また、同じような病気で

切除を悩んでおられる方の

一助になればとの思いで

実際の会話やエピソード、

感情の流れを全て書きます。

 

会話に出てくる

見解や理論が

必ずしも正しいとは

限りませんので、

あくまで一個人の体験として

ご覧いただき、

ご自分の症状については

必ず専門医からアドバイス

受けてください。

 

18歳の頃。

シャワーを浴びていた時、

右胸の表面のすぐ下、

デコルテの下に、

BB弾が柔らかくなったような

感じのしこりを感じました。

よく触らないと分からない程度

でしたが、気になって、

癌研有明病院に行きました。

 

超音波、マンモブラフィーを

行った結果は

良性の線維腺腫とのこと。

乳腺が発達しているタイプなので

できやすいけれど、

気にするものではない

と言われました。

 

それでも不安だった私は

年に一度、この癌研で

乳がん検診を受けていました。

 

そして26歳の頃。

私は昼間は商社で

派遣OLをしていました。

夜は、銀座のクラブでバイト、

土日はコンパニオンのバイト、

と休む暇もなく

働いていました。

 

ちょうど買い物依存になり始め、

昼のお給料だけでは

足りないほど、

カードで買い物をしていました。

とうとう首が回らなくなり、

いわゆる夜の仕事と

掛け持ちしていたのです。

 

そんなある夜、

二人組のお客さまと

お話をしていると、

胸の大きさの話になりました。

夜の席ではよくある話です。

 

商売道具なんだから

大切にしなさい、

などというAさんの冗談に、

もちろん大切にしてますよ?

毎年乳がん検診もしてるし。

でも、最近、前からある

しこりの形が、

何だか変わった気が

するんですよね。。

 

思わずそう呟きが漏れたのは、

ちょうどその前の週に、

久しぶりにしこりに触れると、

一つだったしこりが

二つに分かれたような形に

感じて不安だったからです。

 

でもまだ次の検査は

何ヶ月か先だし、

それに、今、すごく忙しいし。

そうやって不安を

押し込めようとしていた時でした。

 

「触らせて」

Aさんが言うと、

同席していたお姉さんが、

「うちはお触りNGですよ〜」

と笑って言ってくれましたが

もう一人のお客様が

「この人、乳腺の専門医だから」

と真顔で言いました。

 

フロアのソファに掛けたまま、

A先生は私のドレスの胸元に

手を突っ込み、触診が始まりました。

すぐに、「これだよね?」

とAさんは右胸のしこりを

指摘しました。

 

「ツルツルしてるね。

多分、がんじゃないと思う。

がんってね、もっと固くて

何ていうか、ザラザラした

いびつな形してることが多い。

でも、形が変わったなら

葉状腫瘍かもしれない。

その場合、

短期間で大きくなることが

あるから、切除。

いつも行ってるの癌研?

細胞診してもらって、

とにかくMRI撮った方がいいよ」

A先生は、何かあったら

電話して、と名刺をくれました。

 

葉状腫瘍?

大きくなるから切除?

初めて聞く病名、

そして手術が必要かもしれない

と思うと、とても不安になりました。

翌週、私は毎年の検査の時期を

前倒しして、

癌研に行きました。

 

待合にいる間、

私は数日の間に調べた知識に

悶々としていました。

 

葉状腫瘍は、

がんではない。

ほとんどの場合、良性だが、

急速に肥大化する可能性がある。

(数ヶ月で10㎝以上になることもある)

また、乳房全体に

散らばっている場合もあり、

その場合は全摘。

 

悪性の場合は、

高確率で骨や肺に転移。

しかしがんと違って

抗がん剤放射線が効かない。

ある意味、

がんより厄介。

何れにしても

早期に切除が必要。。

 

待合での時間が長く、

私はいてもたってもいられなくて

思わずA先生に電話していました。

 

「私、やっぱりMRIは受けません。

受ける意味、ないもの。

だって、今ここにある腫瘍、

それを取るだけでいいんです。

MRIって、他にも腫瘍が

散らばっているか、

とか転移がないか、

見るためのものでしょ?

そうなってたとしても、

私、全摘なんてする気がありません。

そんなことするくらいなら、

死んだほうがマシです。

どんな悪い状況でも、

この腫瘍しか取る気はありません。

だから、MRIやりません。

むしろ、悪い情報知るためだけの

検査なんて、

私にとってマイナスしかないし!」

 

完全に冷静さを失っている私に、

A先生が言いました。

 

「君の話はわかった。

君の言うように、

今わかっている腫瘍だけ

切除すればいいんじゃない?

こないだ脅すようなこと

言ったけど、

年齢を考えると、

葉状腫瘍悪性は、まずないね。

宝くじに当たるより、

難しいよ。

だから、

そこまで気持ちが

固まっているなら、

今わかっているしこりの

切除だけでいいと思うよ?

 

ただ、

MRIは今撮って欲しい。

手術前の、今の状態は、

今しか撮れないの。

今後、気が変わって、

MRI撮りたくなった時、

手術の後だと、

切除跡が多少影響するの。

より正確な情報を

残すには、今がいいの。

3年後、5年後、10年後、

って少なからず、

再発の可能性がある中で、

君自身も、

どう考え方が変わっていくか

わからないじゃない?

後から撮っとけばよかった、

って言っても、

もう今の状態は

撮れないんだよ。

未来の自分に、

可能性を残しておいて

あげて欲しい。」

「・・・」

「わかる?」

「はい」

「よし。終わったらまた教えて」

 

A先生のおかげで

落ち着きを取り戻した私は

細胞診、MRIを受けました。

 

検査の結果は、

やはり乳腺葉状腫瘍でした。

 

その2に続く。