もはや、ミニマリストに興味のない一般の人でも知らない人はいないこの本。
何と言ってもいちばんの特徴は、
今までになかった判断基準、”ときめき”でした。
それゆえ、アマゾンレビューを読んでみると、
この”ときめき”という感覚に共感できるか否かでこの本の評価が分かれているようです。
これを読んで目からウロコが落ちた!と
一気に片付け祭りを実行、ときめく部屋を手に入れた人もいれば、
ときめきって何?モノにときめくという感覚がわからないから、
結局1年間のうち1度も使っていなければ捨てるなど、
ありふれているけど、誰もが判断可能な基準で無難に片付けた方が手っ取り早い、という人もいます。
私はというと、どちらかというと後者に近い感覚です。
洋服はもともと愛しているので”ときめく”というのがわかるのですが、
その他のもの、
例えばキッチン用品や文房具、アクセサリー、日用品諸々については
まったくときめく感覚はわかりません。
そう思った人が結構多かった影響か、第二弾に出された本では、
明らかに必要なものについても”ときめき”と判断する、
というようなことが書いてありました。
(今手元にないので正確じゃない書き方になっていて申し訳ないです)
それはちょっと強引かなあ、と思いますね。
多分、無条件にときめくもの、と
ある一定以上の使用頻度のもの、
の2種類は残す、と言ってくれた方が納得感があると思います。
全てを、無理やり”ときめき”に持っていかなくってもな、と。
しかし私が言いたいのは、そんなことではないです!
この本の本当の凄さは、世間で注目されている”ときめき”の部分ではないと勝手に理解しています。
私がすごく影響を受けた部分、
この2点のことを知ることができたということだけでも、
充分元は取れたな、と思うぐらい。
①場所別ではなく、モノ別に取捨選択を行うこと
みんな知ってそうで知らない、やってそうでやってなかったことだと思います。
今でこそ断捨離本、ミニマリスト本は溢れかえっているので、
同じことを言っている本が他にもあるのかもしれませんが、
この本が出た当時までで、
この部分に言及していた本はなかったのではないでしょうか。
部屋を片付ける、となると、確かに1つの部屋の中で片付けがちですが、
服なら服、本なら本、と同じ用途のモノを全て集めた方が、
取捨選択の効率が良く、何より、正確なモノ選びができます。
難しいことではないのですが、この部分は本当に画期的だったと思います。
②モノを捨てる前に、理想の暮らしを考えること、
そして、なぜそんな暮らしがしたいのか考えること。
これです。
この部分(P55に載っていますので是非読んでください)
もう本当に、これこそ片付け、断捨離、ミニマリスト、
もっというと、あらゆる行動の原点に触れている!
そういう部分だと思います。
私の場合、
とにかく床に何も置いていない、
家具も少ない、ブラウン、白を基調とした部屋で暮らしたい。
そう考えたら、『なぜそんな暮らしがしたいのか?』
を最低3回以上突き詰めていきます。
『掃除をしやすくしたいから、落ち着くインテリアにしたいから』
『なぜそうしたいのか?』
『毎日掃除した清潔な空間でリラックスしながらストレッチをしたいから』
『なぜそうしたいのか?』
『きちんとした生活の中で、健康で美しい身体が欲しいから』
『なぜそうしたいのか』
『自分を大切にしたい、幸せになりたいから』
こんまりさんによると、
『結局、モノを捨てることも、持つことも、自分が幸せになるためにすること』
さらっと書かれていますが、ここがこの本のいちばんのポイントだと
個人的に決定させてもらいます!
文字にすると簡単ですけど、
この部分が腹に落ちると、捨てる作業は格段に早くなります。
そして常に、自分の理想の生活とは何か、を考えながら残すものを選ぶことで、
ついつい、もったいないから、思い出の品だから、レアだから、などなど
捨て作業の邪魔になる感情の傾きを、すぐ軌道修正することができます。
”ときめき”という判断基準ははっきり言っていらないくらい、ここが重要です!
私も本当にモノを捨てられないタイプです。
明らかに必要ないのに捨てられないときは、
何のために、片付けをしたいのか? と何度でも同じ問いを繰り返します。
過去ではなく今からの未来、どうなりたいのか?
その実現に近づけるために、これは必要なのか不要なのか、
または、あってはいけないものなのか。
理想とする暮らしと、ここにモノがあることと、どっちが大事?
そう自分で問いかけると、捨てることができました。
今まで捨てられなかった、新品だけど放置しすぎてカビたブーツや、本、入らなくなったブランドの服も。
だって、清潔な部屋で健康になりたいから。
モノ達に申し訳ないことした。今後はそうならないように、
買う時は、そのモノの一生を引き受ける覚悟が自分にあるかどうか考えよう。
そう思っています。
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